先日、結婚した人（男性）が「結婚式で感極まって『号泣した』」と言っていました。
・・・それって、本当ですかあ～？


小生は一度だけ、人が　「号泣した」　悲しい場面に遭遇したことがあります。
それは葬儀場で参列者が見守る中、いよいよ棺を霊柩車に納めるその時でした
残された故人の若い奥様が突然 取り乱したように 棺に走り寄りました。
そして棺にすがり付き 廻りもはばからずに 「泣き叫んだ」 のです。
「だめーっ！　いっちゃだめーっ！！！」

亡くなったのは私の知人でした。飲酒運転の車に激突されたのです。即死でした。
結婚式を挙げて一ヶ月も経たないある日、新妻に 「行ってきまーす」 と仕事に出掛けたまま新婚生活とその人生が、突然鋏で切られたように音もなく終わってしまったのです・・・

私は未だかつてこんな残酷な場面には出会ったことがありません、とても見てはいられませんでした。思わず声を漏らして 「もらい泣き」 をしてしまいました。
周りの人も皆同様で、「袖を絞り」或いは「袖を濡らさぬ」人は一人としていませんでした。
今思い出しても、そのときの情景が胸に迫り「涙がにじんで」きます。


閑話休題
「号泣」　とは　「泣き叫ぶこと」　・・・ 明解国語辞典（三省堂）


結婚式で「号泣」は止めておきましょうよ。
せいぜい「迂闊(うかつ)にも涙をこぼしてしまった」くらいでどうですか？
そうでないと、本当に号泣したときに使う言葉がなくなりますよ。


「目頭が熱くなる」　「感涙にむせぶ」　「感動の涙」　「むせび泣く」　「うれし泣き」
「涙ぐむ」　「涙する」　「感動の涙」　「目から汗が」　「こみ上げる涙」　「慟哭の涙」
「感 極まって・・・」　「ただただ涙・涙・涙」　「頬を伝う涙」　「涙目」　「目を潤ます」
「涙に目が潤む」　「涙を抑えることが・・・」　「泣きじゃくる」　「泣き顔」　「泣きっ面」
などなど　日本語には沢山ありますから・・・
「♪な～みだ君・さ・よ・な～ら♪」　なんてのもありましたね・・・ちょっと古い？